便秘の改善方法

便秘の改善方法を教えてください。

便秘は多くの人が苦しむだけあって、様々な改善方法が研究されています。

中でも有名なのが食事による改善です。

特に食物繊維は便秘解消の代名詞的存在ですね。
これは、食物繊維が消化されずに大腸まで届くことで、便の量を増したり腸を刺激したりして、排泄を促す効果が期待できるからです。
食物繊維は、ニンジンやイモ類、キノコ類、リンゴやバナナ、海藻類などに多く含まれているので、
これらを意識して摂取すると良いでしょう。

他には、チーズやヨーグルトといった乳製品由来の発酵食品も便秘改善に役立ちます。
これらには、乳酸菌が多く含まれていて、腸内環境を整える効果があるのです。
一般的に乳酸菌は口を通して食べると死んでしまいますが、その死骸は腸内の善玉菌のエサとなるので、結果として腸内を善玉菌優勢にしてくれます。
また、乳酸菌を生きたまま腸に届ける工夫のされた製品を食べれば、乳酸菌が悪玉菌を抑制することもできます。
ちなみに食物繊維も善玉菌のエサとなりますよ。

食品は以上のものを意識すると良いのですが、食事にもいくつかポイントがあります。

まず、水分を摂ること。
溜まっている便は腸壁から水分を吸収されてどんどん固くなっていきます。
ですから、便秘が続くとますます排便しづらくなってしまうのです。
それを防ぐために、意識的に水分を摂りましょう。
しかし冷たいものばかり飲んでは、体を冷やして腸やそのほかの臓器の働きを弱めてしまいます。
また、血行が悪くなって代謝が下がり、ますます便秘体質になってしまうこともあるので、温かいものを飲んだり、体を温める食品をとるなど、体を冷やさない工夫をしてくださいね。

規則正しい食事も大切です。
朝・昼・晩と規則的に食事をとるようにすれば、排便のリズムを作ることが出来ます。
得に1日の始まりである朝ごはんは腸の働きを促すので大切です。
どうしても朝食をとる時間がない時でも、冷たい水を1杯飲めば腸を刺激してくれますよ。

このような食事に関する改善以外にも、軽い運動やトイレの習慣づけも効果的です。

運動は特別なことでなくて構いません。
エスカレーターやエレベーターでなくなるべく階段を使うとか、散歩や軽いストレッチなど、ちょっとした意識で十分です。
そうして代謝を高めることで腸が活発になるので、便秘解消につながります。
この時、腹筋を意識して鍛えれば排便する力が養え、より効果的でしょう。

トイレの習慣づけは、すぐには効果が出ない地味なものですが意外と大事です。
例えば朝ごはんの後など、時間を決めて毎日トイレに入るようにします。
便意がなくても必ず、お尻を出して便器に座る時間を作るのです。
そうすると体は次第にその習慣を覚えて、その時になると便意を感じるように、そして排便の習慣へとつながっていくのです。
こうして便器に座る間に、大腸にマッサージをしてみるのも良いでしょう。
大腸に沿ってさすっていくと、大腸の動きを刺激し中の便を押し出すことが出来ます。
場所は大体、おへその下から右わき腹を通っておへその上、左わき腹へというライン。
ちょうど「の」の字を書くように軽くさすっていきます。回数は10回ほどで良いでしょう。
最後に、左わき腹の腰骨の内側を軽く押してください。
ここはS字結腸のあるあたりで、便秘になるとまず便が溜まっていくところです。
左の腰骨の内側、おへその左下あたりに手を当てて、脚の付け根、股のほうへと斜めに押していく感じです。
トイレに座るのと一緒にこのマッサージを行えば、より排便リズムを作りやすくなります。

このように色々な対策を紹介しましたが、すべてをキチンとこなさなければいけない、と言うわけではありません。
ストレスも便秘の原因となりますから、負担にならない程度に実行してみてくださいね。



便秘が与える悪影響

便秘が与える悪影響について、教えてください。

便は食べたものを消化した残りカスの他、消化の過程で発生する炭酸ガスや乳酸、腸内細菌、その死骸、消化液の残りなどで出来ています。

生命活動において体内に発生した不要なもの・有害なものを吸着して集めたものが便なのです。

便秘は、この要らないものを体に留めている状態です。
要らないものですから、便を留めることにメリットは当然なく、逆に様々なデメリットがあります。

まず、便が持つ毒素が腸から吸収され、体中にまき散らされます。
同時に、腸内には悪玉菌など有害菌が増えていきます。
悪玉菌はメタンガスやスカトールなどの有毒ガスを発生させます。
さらに、増えた有害菌に対処するために肝臓に負担がかかるようになると、きれいな血液を作れなくなってしまい、新陳代謝が悪くなります。
そうすると体の免疫力が下がり、些細な菌に感染してしまうことが考えられます。

これらのダメージは大腸がんやポリープ、アレルギー症状の他、ニキビ・肌荒れ・倦怠感・頭痛・口臭や体臭などの症状を起こします。
発生したガスや溜めこまれた便によって腹部の張りや痛みを感じることもあるでしょう。
腸内で固くなった便を排泄するために肛門に負担がかかり、痔になることも多いです。



便秘の定義

便秘の定義は人によって違うのでしょうか?

便秘の定義として、日本内科学会は「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」としています。

ただ、排便のタイミングは人それぞれで、食事の内容や量、生活リズムで変わってきますから、この「3日」というのはあくまでも目安でしかありません。
また、便秘は排便間隔が空くことだけを言うのではなく、排便後の残便感や量の減少、固いなどの排便困難などの症状も併せ持っています。

ですから、明確な定義づけが難しいのです。

合えて言うのなら、「通常の排便メカニズムが乱れることにより、便が長く体内に留まり、不快症状がある場合」となるでしょうか。
人により、便秘かな?と思うタイミングは違いますが、そう感じた時には便秘になっていると言えるかもしれませんね。



便秘までの日数

何日くらいお通じがなければ便秘となりますか?

一般的にはだいたい、3日ほどお通じがなければ便秘と言われています。
しかし、排便のリズムには個人差があるもので、3日排便がなければ絶対に便秘、とも言い切れません。

健康的な方は毎日お通じがある方が多いですが、2、3日に1度で十分な方もいます。
これは、食事の内容や量によって、排泄が必要となるタイミングが変わってくるためです。
また、排便にはサイクルがあり、2週間ほどは毎日出ると2日は便意がなく、また2週間ほどは毎日出るようになる、というようなリズムも見られます。

このような訳で、3日というのはある程度の目安と言うことになります。

さらに言えば、「排便がない」だけが便秘の症状ではありません。
毎日排便していても残便感があるとか、便意を感じているのに便が固くて出ないといったことも便秘の症状です。
他に、腹痛や頭痛、腹部の張りなども見られます。

逆に言えば、これらの症状が感じられず、排泄後にスッキリとできているのならたとえ3日以上の間隔のあく場合でも、便秘とは言えないでしょう。