便秘に腸内洗浄は有効?

便秘に腸内洗浄は有効ですか?

腸内洗浄とは、肛門から専用の洗浄液を直腸へ入れ、腸内をきれいにするというものですね。
腸内の毒素を排出できる、ということでダイエットなど美容的にも注目されています。
また、便秘の解消に利用される方もいるようです。

ですが、腸内洗浄は便秘を解決できるものではありません。
下剤と同じで、一時的に便を排泄させられるだけです。
薬や洗浄液の力で便の排泄は出来ますが、根本の解決ではないのでまた便秘になってしまうかもしれません。
また、腸内洗浄の刺激に慣れてしまえば、より腸や肛門は鈍感になって便秘を悪化させることにも繋がります。

便秘の解消には、その原因を知り改善することが必要になります。
その原因は食生活であったりストレスであったり、あるいは消化器官の病気かもしれません。
もし病気であった場合、腸内洗浄で力ずくの解消を続けるうちに病気が進行することもあるでしょう。

このように長期的な目で見ると、腸内洗浄は便秘に有効とは言えないでしょう。
まずは生活習慣の見直しやサプリメントなどで体内バランスを整えることをお勧めします。



便秘と下痢を繰り返す

便秘と下痢を繰り返しています。病気の疑いがありますか?

便秘症の方で、便秘が解消されるときに下痢になる、という場合があります。

便秘の時、腸は吸収を続けているので留まった便は段々水分を吸収され、固くなっていきます。
一方で、まだ腸に来たばかりの排泄物は水分が多く、柔らかい状態です。
長く便秘が続くと、腸の許容量の問題もあって排泄が促されますが
この時、出口付近の硬い便だけでなく、まだ柔らかい便も一緒に押し出され、結果として下痢になるわけです。

普段から便秘の期間が長く、下痢の時は少ない、という方はこのパターンが多いでしょう。

しかし特に便秘症ではない、便秘と下痢が交互に来る、という方には過敏性腸症候群や胃下垂、大腸がんなどが考えられます。

過敏性腸症候群は、ストレスなどの要因で胃腸の働きが悪くなるものです。
症状としては、腹痛やケイレン、便秘と下痢を繰り返す、などがあります。
先進国での発症が多く、特に日本は患者さんが多いようです。

胃下垂は、機能性胃腸症とも呼ばれます。
胃が正常な位置に収まらず、下の方へ伸びてしまっている状態のため、働きが悪くなります。
胃の機能が低下すると腸でも消化不良が起きてしまうので、便秘や下痢を引き起こしてしまいます。

便秘と下痢を繰り返すのは、大腸がんの初期症状でもあります。
大腸がんは進行度やがんのできた位置によって症状が変わりますが、初期には腹痛や便秘、下痢、あるいは便秘と下痢を繰り返すなどの症状が出ることがあります。
しかし初期にはほとんど症状が出ず、発見しにくいものです。

バランスの良い食生活や適度な運動など、おなかを労わっても症状が続く場合は、一度消化器科で相談されるのも良いかもしれませんね。



便秘の薬による弊害

便秘の時に薬は飲んだ方が良いですか?飲み過ぎはよくないですか?

便秘の薬と言えば、下剤と言うことでしょうか。
それでしたら、一概に「飲んだ方が良い」とは言えません。
重度の便秘は病気や肌荒れなどの原因となり、体を壊してしまいますから、多少は薬の手助けも必要でしょう。
しかしやはり薬は毒ともなりうるもので、あまり飲み過ぎてはいけません。

まずは食生活の見直しや運動など、薬に頼らない便秘解消法を試してみてください。
それらの方法を試しても改善されない場合に、最後の手段として下剤を使うのが良いでしょう。

下剤には、刺激性・浸潤性・膨張性・塩類などの種類があります。
それぞれに作用が違い、副作用も違いますから、使用する種類はきちんと確認してください。
原則として、最初は「弱い薬を最小量」から始めてください。

強いものを使ったり、量を多くしたりすると体が過剰に反応してしまうことがあります。
また、下剤に頼っていると体が薬に慣れて、効果が出にくくなることもありますし、そこからさらに強い薬へと進んでいくと、下剤がなくては排便できない依存状態に陥る可能性もありますから、使用量や頻度には注意してくださいね。

もし、生活習慣を改善し、下剤を飲んでも便秘が続く場合には、何かの病気が考えられます。
便秘は何かしらの病気のサインである場合もあります。
下剤で排泄を済ませていると、このサインを見落としてしまいかねません。
ですから、便秘が続く場合には一度診察を受けると良いでしょう。



便秘の改善方法

便秘の改善方法を教えてください。

便秘は多くの人が苦しむだけあって、様々な改善方法が研究されています。

中でも有名なのが食事による改善です。

特に食物繊維は便秘解消の代名詞的存在ですね。
これは、食物繊維が消化されずに大腸まで届くことで、便の量を増したり腸を刺激したりして、排泄を促す効果が期待できるからです。
食物繊維は、ニンジンやイモ類、キノコ類、リンゴやバナナ、海藻類などに多く含まれているので、
これらを意識して摂取すると良いでしょう。

他には、チーズやヨーグルトといった乳製品由来の発酵食品も便秘改善に役立ちます。
これらには、乳酸菌が多く含まれていて、腸内環境を整える効果があるのです。
一般的に乳酸菌は口を通して食べると死んでしまいますが、その死骸は腸内の善玉菌のエサとなるので、結果として腸内を善玉菌優勢にしてくれます。
また、乳酸菌を生きたまま腸に届ける工夫のされた製品を食べれば、乳酸菌が悪玉菌を抑制することもできます。
ちなみに食物繊維も善玉菌のエサとなりますよ。

食品は以上のものを意識すると良いのですが、食事にもいくつかポイントがあります。

まず、水分を摂ること。
溜まっている便は腸壁から水分を吸収されてどんどん固くなっていきます。
ですから、便秘が続くとますます排便しづらくなってしまうのです。
それを防ぐために、意識的に水分を摂りましょう。
しかし冷たいものばかり飲んでは、体を冷やして腸やそのほかの臓器の働きを弱めてしまいます。
また、血行が悪くなって代謝が下がり、ますます便秘体質になってしまうこともあるので、温かいものを飲んだり、体を温める食品をとるなど、体を冷やさない工夫をしてくださいね。

規則正しい食事も大切です。
朝・昼・晩と規則的に食事をとるようにすれば、排便のリズムを作ることが出来ます。
得に1日の始まりである朝ごはんは腸の働きを促すので大切です。
どうしても朝食をとる時間がない時でも、冷たい水を1杯飲めば腸を刺激してくれますよ。

このような食事に関する改善以外にも、軽い運動やトイレの習慣づけも効果的です。

運動は特別なことでなくて構いません。
エスカレーターやエレベーターでなくなるべく階段を使うとか、散歩や軽いストレッチなど、ちょっとした意識で十分です。
そうして代謝を高めることで腸が活発になるので、便秘解消につながります。
この時、腹筋を意識して鍛えれば排便する力が養え、より効果的でしょう。

トイレの習慣づけは、すぐには効果が出ない地味なものですが意外と大事です。
例えば朝ごはんの後など、時間を決めて毎日トイレに入るようにします。
便意がなくても必ず、お尻を出して便器に座る時間を作るのです。
そうすると体は次第にその習慣を覚えて、その時になると便意を感じるように、そして排便の習慣へとつながっていくのです。
こうして便器に座る間に、大腸にマッサージをしてみるのも良いでしょう。
大腸に沿ってさすっていくと、大腸の動きを刺激し中の便を押し出すことが出来ます。
場所は大体、おへその下から右わき腹を通っておへその上、左わき腹へというライン。
ちょうど「の」の字を書くように軽くさすっていきます。回数は10回ほどで良いでしょう。
最後に、左わき腹の腰骨の内側を軽く押してください。
ここはS字結腸のあるあたりで、便秘になるとまず便が溜まっていくところです。
左の腰骨の内側、おへその左下あたりに手を当てて、脚の付け根、股のほうへと斜めに押していく感じです。
トイレに座るのと一緒にこのマッサージを行えば、より排便リズムを作りやすくなります。

このように色々な対策を紹介しましたが、すべてをキチンとこなさなければいけない、と言うわけではありません。
ストレスも便秘の原因となりますから、負担にならない程度に実行してみてくださいね。



便秘が与える悪影響

便秘が与える悪影響について、教えてください。

便は食べたものを消化した残りカスの他、消化の過程で発生する炭酸ガスや乳酸、腸内細菌、その死骸、消化液の残りなどで出来ています。

生命活動において体内に発生した不要なもの・有害なものを吸着して集めたものが便なのです。

便秘は、この要らないものを体に留めている状態です。
要らないものですから、便を留めることにメリットは当然なく、逆に様々なデメリットがあります。

まず、便が持つ毒素が腸から吸収され、体中にまき散らされます。
同時に、腸内には悪玉菌など有害菌が増えていきます。
悪玉菌はメタンガスやスカトールなどの有毒ガスを発生させます。
さらに、増えた有害菌に対処するために肝臓に負担がかかるようになると、きれいな血液を作れなくなってしまい、新陳代謝が悪くなります。
そうすると体の免疫力が下がり、些細な菌に感染してしまうことが考えられます。

これらのダメージは大腸がんやポリープ、アレルギー症状の他、ニキビ・肌荒れ・倦怠感・頭痛・口臭や体臭などの症状を起こします。
発生したガスや溜めこまれた便によって腹部の張りや痛みを感じることもあるでしょう。
腸内で固くなった便を排泄するために肛門に負担がかかり、痔になることも多いです。